絵本の話①「ノンタン」

「ノンタンぶらんこのせて」
作・絵:キヨノサチコ/1976年偕成社

 

 

【こころざわつく、ノンタンの魅力】

まえだゆうきの絵本の話①【ノンタン】ノンタンが世代を越えて愛され続ける理由

 

「人の気持ちになって考えるのって難しい!?」

 

 

こんにちは!
絵本作家まえだゆうきです。

突然ですが、なかなか「人の気持ちを理解する」って、
難しいですよね。

 

 

子どもたち相手で、よくありがちな
声かけ&シュチュエーションとしては、

 

  

「相手の気持ちになって考えなさい」とか

 

「〇〇ちゃん、それじゃ悲しいよねぇ」とか

 

「そうゆうことされたら、お友だちどうゆう気持ちかなぁ?」とか

 

いろいろ、似たようなシュチュエーションがあると思うんですけれど。

  

 

残念ながら「他人のことを意識する」とか、
「相手の気持ちになって考える」っていうことは、
かなり高度なことで。

  

4歳、5歳を過ぎた位から、そういった感情が芽生えてくる。
って言われたりしていますね。

 

つまりは、「ちっちゃい子にそうゆう言葉がけ」をしても。

 

「えっ???」っていう感じだったりとか

 

「What???」っていう感じだったり

 
 

そもそも、「伝わっていないことがほとんど」なんですね。

 

 

まぁ、自分も34歳になりましたが、
全然、人の気持ちがわからない事、ありますもんね…(汗
それぐらい難しいんですよね。

 

 

そんな時に、オススメしたいのがこちらの絵本です!!

 

じゃじゃーーーーん!!
ノンタンです!

 

 

いやー、みんなノンタン好きですよね。
自分も大好きです^^

小さい頃、アニメとかみてました^^(懐

 

ただ、大人になって読んで、改めてびっくりしたのは。
ノンタンって結構「わがまま坊や」なんですよね^^

 

妹のキャラに、タータンっていうのがいるんですけれど。
妹のおもちゃ取っちゃったりとか、
お友だちにおもちゃ貸してあげなかったりとか、

この絵本だと、ぶらんこを独り占めしたりするんですよね。

 

 

なんてゆうか、こう
すごく「リアルな子ども像」っていうのを、描いているなぁ。

ってすごく思いました。

 

作者、「キヨノサチコ」さんっていうんですけれども。
すごく、子どものことよく観ているんだなぁ。って
改めて思いました。

 

 

 

「ノンタンの擬人化について」

 

ノンタンって、これ一応「オス猫キャラ」なんですけれども、
自分ですね、あんまり「意味のない擬人化」って好きじゃないんですね。

 

どうゆうことかっていうと

 

「訳もなく動物たちが出てくる」とか、「なぜかウサちゃんが服着てる」
とかですね。

 

 

でも、ノンタンの場合は、ノンタンのキャラクターっていうのが、
「ものすごくリアルな子ども像」だから

わがままだったりとか、
泣き虫だったりとか、
人のおもちゃ取っちゃったりとか、ですね。

 

だから、「逆に擬人化してあげないと」
子どもにとって重すぎる話になっちゃうんですよね。
まぁ、「ちょっとエグい」っていうのかな^^

 

 

ノンタンの、この可愛いフォルムと、「実はリアルでダークなキャラ」っていうんですかね^^

この辺りが、すごくバランスが取れているなぁ。
っていうところなんですね^^

  

 

 

「ノンタン読み聞かせ」 

じゃあ、ちょっとどれぐらいダークか、
観てみましょうか^^

「ノンタン ノンタン ぶらんこ のせて。」

 

 

いいですよね、このシュチュエーション。
このシュチュエーション通らない子ども、一人もいないんじゃないですか^^??

 

こうゆう光景って、公園に行くと日常茶飯事ですものね^^

 

この顔もいいですよねー^^
本当、たまらないですよねぇ。(笑)

 

※動画内で楽しそうに、読み聞かせしています^^
 詳しくはYouTubeで

 

 

「世界は子ども中心で回っている!?」

お分かりになりましたでしょうか^^??

 

子どもって、みんな「世界は自分中心で回っている」じゃあないですか?
まぁ、大人も回ってるっちゃ、回ってると思うんですけど^^

 

だからか、
ノンタンみたいな「かなりリアルな子ども像」が、
キャラクターとして出てくると


「心がざわざわする」んですね。

 

「世界の中心軸がズレる」っていうんでしょうか^^

 

具体的にいうと

 

ぶらんこを独り占めしているノンタンを見て、
みんな

 

「けしからん!!」

って、思うはずなんですよね。

 

「もう、ノンタン!けしからんぞ!!」

ってね^^

 

 

でも、絵本を読み終わって
「はい、外遊びに行きましょうね。公園行こうね」
ってなるじゃないですか。

 

で、公園に行って

 


公園に行くと、
ブランコがぶら下がっている訳ですね^^

 

 

それで、ブランコに乗って
「わーーーーーい!」
ってやっていると、お友だちがやって来て

 

「かーしーてー」

 

って言われる訳ですよね。

 

で、そこで
「ダーメーよー」って言った時に

 

「はっ!?」

ってなるはずなんですよ

 

「あれ?このシュチュエーションって…、もしかしたら…」

 

「ノンタン!!!」

  

まぁ、そこまで言語化はできないと思うんですけれども^^

 

 
それでも、2歳の子でも、3歳の子でも
何か、「心に引っかかるもの」があると思うんですよ。

  

これが、厳密な意味での


「他者への意識の芽生え」

 

っていうものなんじゃないか?って
僕は思ったりする訳ですね。

そう言ったことを、ノンタンを読んでいると
感じますね。

 

さすが、40年以上読み継がれているだけのことはあるなぁ。
って思いました

 

 

「まとめ」

繰り返しになりますけれども、
「相手のことを意識する」とか
「相手の気持ちになって考える」っていうのは、
すごく難しいことだと思うんです。

それを言って聞かせることも、含めてですね。

 

 

でも、ノンタンを見ていると

 

「なるほどねぇ、こうゆう言い方とかあるんだ。
こうゆう表現の仕方もあるんだなぁ、」

  

っていう風に、思わされますね。

  

 

なんていうか

 

よく、相手のことを観察してあげて

 

今、この子何考えてるのかなぁ?って想像してあげて

 

そして、信じて
じっと待ってあげる。

 

 

これが本当の意味での

「相手の気持ちになって考える」っていうことなんじゃないかなぁ。
っていうことをですね、
ノンタンを見ていて思いました^^

 

 

 

いかがでしょうか^^??

 

 

ノンタン子どもたち、大好きですし、
大人になって読んでも、すごく面白いなぁって思えますので、
ぜひ、お手にとって見ていただけたら
嬉しいな。と思います^^

 

 

 

ではでは

 

 

また、次の絵本でお会いしましょう!!

See You!!

 

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Writing by 絵本作家「まえだゆうき」

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代表作「くもおとこ」「エスカレーター」など
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